常盤響の週刊ニューエロス。119
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ニューエロス 第119号 2015.03.28 責任編集、全撮影 常盤響 表紙モデル 藤れいか ------------------------------------------------------------
▼目次
・new eros pictrial #063 where you gonna go. model : 藤れいか
・ニューコラム #106 「 21世紀の京浜兄弟者。」
・大野ケイスケの0721文 「ビデオレンタルキャッツ」
・The Girl Who Always Smokes. 今週の煙草を吸う女。
・お知らせ、編集後記
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new eros pictrial #062 where you gonna go.
モデル:藤れいか
ニューコラム #106
「21世紀の京浜兄弟者。」
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先週、3月18日にディスクユニオンから京浜兄弟社の10枚組ボックスセット「21世紀の京浜兄弟者」が発売になりました。1982年から1994年までの京浜兄弟社周辺の音源がまとめられた歴史的なボックスセットです。僕は箱やブックレットの表紙周りのデザインとイラストレーションをやっています。ぼくの作業が置くtれてしまったりして、発売が伸びたので関係者の皆さんにはご迷惑をおかけしました。先週のドミューンで特番もあったので見てくださった方もいると思うのですが、1982年に東京タワーズが結成されて、偶然見たライブで東京タワーズの大ファンになった当時高校生だった僕が友人と東京タワーズのファンクラブを始めた時に会報の発行元としてつけたのが京浜兄弟社という名前でした。その後、ファンクラブが東京タワーズ本体に乗っ取られる形で、京浜兄弟者は「総合相互プロデュース集団」(©岸野雄一)という独特な集団を形成し、たくさんのミュージシャンや表現者を内包し排出しました。 参加しているアーティストは、
ART CORE FUNK/相川博昭/ATTIC/荒木尚美/石沢ミチキ/磯部智子/今井弘文/今堀恒雄+FRED FRITH /EXPO/ORGANIZATION/岡田裕二/岡村みどり/加藤賢崇/ガボタ昌英/菊地成孔/岸野雄一/KING & COUNTRY/クマさんチーム/倉地久美夫とアジャ・クレヨンズ/クララ・サーカス/ゲイリー芦屋/ゲイリー&ケーシー/ケラリーノサンドロビッチ&どくろ団/幸喜俊/幸喜睦子/小嶋智子/後藤浩明/コンスタンスタワーズ/近藤研二/佐伯健三&どくろ団/坂本光三郎/坂本勝/THE SON/三代目京浜兄子/SYZYGYS/清水俊行/冷水ひとみ/シュールデジール/SHORT CRAYON/SPACE PONCH/外山明/ソノラマ/高井康生/高橋久美子/ZYPRESSEN/TIPOGRAPHICA/東京タワーズ/ドカベン/常盤響/どくろ団/ドミニクス/中ザワヒデキ/中嶋勇二/永田一直/西岡由美子/西田ひろみ/パーク アンド ボート/ハイポジ/ハイヨ/蓮実重臣/林茂助/BEING BEAUTEOUS/Fib/伏黒信治/藤森健太郎/PRIDE/松信重光/松前公高/耳から回虫/三宅剛正/宮崎貴士/もすけさん/もりばやしみほ/モンシロチョーズ/山口優/山口由起子/ヤングホルモンズ/吉川まさみ/吉田誠/ラエモンズ/ラッカスビーンズ (50音順)
という豪華かつ混沌としたメンバー。
詳しいことはボックスセットに同梱される100ページを超えるブックレットにものすごく細かい文字で記入されてるのでぜひみてください。僕のインタビューは、インタビュアーがベガスこと渡辺くんだったので、口調がぞんざいな感じになってます。失敗したなぁ。僕は特に楽器が出来るわけでもないのに、幾つかのバンドを掛け持ちしたり、岸野さんの家で夜な夜なレコードを聴かせてもらったり、賢崇さんの家に泊まり込んだり、とても刺激的な学習の場でした。80年代初期の主な活動はライブのチラシを延々と手刷りすることや、岸野さんが監督して賢崇さんが主演した自主制作映画「野球刑事ジャイガー」シリーズを作ったり、京浜通信というミニコミを作ったり、なぞマンクラブという漫画同人誌を作ったりと、およそ音楽活動だけではなく、その中で物事に対する面白がり方などを学んだと思っております。
まだ僕も付録のブックレットを全部読めていないのですが、当時の写真やチラシなんかも出てきたのでまたここでアップしてみたいと思います。
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ディスクユニオンで買うとおまけに、ドカベンを脱退後に僕が岸野さんの家で作り始めたコラージュ作品に岸野さんが加わって作成され、少数がテープで販売された「ドカベン香川サンプラー」とライブ映像集のDVDが付いてきます!
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誰が書いたか知らないけどあっさりした京浜兄弟社のウィキペディア
ディスクユニオンの販売ページ
大野ケイスケの0721文
「ビデオレンタルキャッツ」
中高一貫男子校だったので、内部進学が決まった中学3年の2学期以降はヒマで仕方なかった。親戚の鰻屋でバイトして、経済的にもちょっとしたバブルだった。時代もバブルだった。片道2時間かけて上京し、劇場とライブハウスと映画館に通い、本とCDを買った。女子との付き合いは一切なく、それは同級生たちも同様で、恋愛を飛び越えてエロの世界に踏み入るも、エロ本だけではもう満足できなかった。ある者はピンク映画館に飛び込んだが男色家の餌食に遭い、またある者は官能小説を読み耽ったがさらにこじれた。僕らはAVが観たかったが、以前も書いたように、中学生でレンタルするのはなかなか困難だった。あれは中3の3学期、とにかくヒマだった僕は「中学生でAVをレンタルする」という高い壁に挑もうと決意し、自転車を走らせた。幾人もの同級生が敗走を余儀なくされたが、僕には勝算があった。彼らは大型店舗に挑んで負けた。組織として法規は遵守しなければならないだろう。しかし僕の住んでいた田舎の町には個人経営の「キャッツ」という小さな店のみ。店員もパートのおばちゃんである。問題は①おばちゃんが知り合いじゃないこと②そしておばちゃんのコンプライアンス、この二点である。狭い「キャッツ」に入ると、知らないおばちゃんが店番をしていた。①はクリアだ。狭小ゆえ長時間の滞在は不審を招く。さりげなく選んで「一般作+AV」というセットでおばちゃんに差し出す戦術で臨んだ。AV棚での熟考&吟味は諦め、直感でパッケージを掴み、適当な一般作を上にしてカウンターへ。緊張したのは一瞬で、おばちゃんは機械的に作業し、「中学生でAVをレンタル」という偉業は呆気なく達成された。「美穂由紀」という女優の作品だった。何事もなかったように授業を受けたが、O君の国語辞典はなんだかエロ本のように見えた。
大野ケイスケ 放送作家、ライター。「ミュージックフェア」「weekend Hips」「深夜喫茶スジガネーゼ」「ユミパン」「SMAPパワースプラッシュ」「髭まかせ」「マイ・クレイジーケンバンド」「巨乳王子」など。
The Girl Who Always Smokes.
今週の煙草を吸う女。
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model : natsu
編集後記 福岡に帰って少しバタバタした日々を送っていました。明日の日曜日は初めての街、長崎県の大村というところにDJをしに行きます。とても楽しみ!イベントスケジュールのところに詳細が載っているので、お近くの方はぜひ遊びに来てください! ------------------------------------------------------------
ニューエロス 第119号 2015年3月28日発行 責任編集、全撮影 常盤響 ------------------------------------------------------------
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